JAZZCLUB-SEPIAの仮想建物として活用していますが、実は理容美容専門学校の校舎です。コンセプトは、「伝統の重みを感じさせるクラシカルな味わいのある学び舎」です。MK百貨店から出されたイメ−ジは、大阪の中之島公会堂だそうで、設計に当り数回足を運び、その古典的石組みのディテ−ルをリサ−チしています。モダニズムのウスッペライ石の外装パネルでなく、石の組積造に見る重厚さを体現させるためには、石組みを学ばなければなりません。石の重みを大地に伝えていく、その重みに耐えるのは石でしかない。時間の重みも演出するために、鉄分を多く含む「錆石」という花崗岩を選択しています。長い時の経過で鉄分が錆てホンノリとした赤味を帯びるのです。難しいとされるバ−ナ−仕上げを敢えて選択し、赤味を引き出していきます。石張りは乾式工法です。ファサ−ド正面のバラ窓面格子は、倉敷アイビ−スクエアのア−チのディテ−ルを発展させて、型鋼とスチ−ルパイプを輪切りにレ−ザ−カットして作ったリングを放射状に配置しデザインしています。モダニズムが喪失した「中心」の復活です。「為せば成る為さねば成らぬ何事も、やってみなくちゃワカラナイ」で不安がる周囲に、自信ありげに大丈夫と言い切ったのですが、バラ窓面格子のデザイナ−であるARC3391は、怖くて取付時に結局立ち会えませんでした。
建物デザインの最も重要な部分なのです。ヨ−ロッパのマイスタ−たちの心境もそんなものなのかもしれません。感動に震える現場からの電話に確かな成功を感じることができました。バラ窓以外の面格子は、アルミ鋳物を使っています。地下1階、地上7階の鉄筋コンクリ−トラ−メン構造です。関西の有数の構造研究所に協力していただいています。延床面積は約1350uです。1〜2階は実習のための理美容モニタ−サロンとなっています。
( MK百貨店プロデュ−スの作品です。)
この建物の内装はインテリアデザイン会社が手掛けています。外装はア−キテクト(当社)、内装はインテリアデザイナ−ということで、他社とコラボしています。しかし、このモニタ−サロンの1〜2階を結ぶ鉄骨階段については構造的要素が多いということで当社がデザインしています。
手すりはステンレスとポリカガラスを使用していますが、いくつかのパ−ツで構成されていて、ボルトナット接合で全て固定されます。全てのパ−ツがジョイントしない状態ではプラプラなので、現場からかなり不安がられましたが、計算どおり最後のパ−ツを止めたらピシッと固定されました。